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ザ・バイクマン日記
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2013/01/30

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充電不良の隠れた原因
充電不良
よくあります。

バッテリーが上がった場合
考えられる可能性は
大別すると2つ。

1つは、単純にバッテリーの寿命。
これはバッテリーの交換で直ります。
交換した際に充電電圧をしっかり測ります。

回転を上げて、概ね14ボルトあたりで安定していれば
オートバイ側の充電系統は問題なし。
スズキ車など、一部のバイクは
アイドリング付近が最高電圧になるように調整されている
バイクもありますので、
回転を上げて、電圧が下がるものもありますが、
異常ではありませんので、ご安心を。

クランプテスターを持っている人は
バッテリーのプラスリード線にクランプして
電流の大きさを測るとさらに確実です。
プラスに振れていれば確実に充電されていることが
目視確認可能です。


さて、問題は
オートバイ側の充電系統の不良です。
何回バッテリーを変えてもすぐにバッテリーが上がる、
なんて場合は充電系統の点検が必須です。

まず、オートバイがどのような仕組みでバッテリーに充電するかを
把握しておかなければ診断はできません。

1例として、
永久磁石を利用した発電方式について説明しておきます。
(励磁式は電磁石を利用していますが、基本は同じです)

エンジンが掛かると
クランクシャフトが回転します。
クランクシャフトの回転を利用して
永久磁石が内蔵されたフライホイールが回転します。
フライホイールの内側には通常3個のコイルが固定されていて
コイルの周りを永久磁石がグルグル回転して発電しています。
ここでは当たり前ですが、交流発電です。
この仕組みは中学校の時、技術家庭で作ったモーターを
手で回転させて発電し、豆電球を光らせたものと同じです。
フレミングの左手の法則ですね。
電磁気学です。
モーターを世界で始めて作ったマイケル・ファラデーのおかげで
現在あるすべの発電所が電気を作れるといってもいい。
ファラデーがいなかったら、現代のハイブリット車も
電気自動車もありません。
まさに背筋に電気が走る世界を変えた大発明です。

ファラデーは鍛冶屋見習いの父から生まれたわけですが、
兄弟が10人もいて、大変貧しい家庭に育ちました。
階級が特に重んじられた17世紀のイギリスでは
その出身からファラデーは紳士としては扱われず、
なかなか研究をするチャンスが与えられませんでした。
独学で勉強し、世界を変えるさまざまな発見をするまでに
限りなく苦労を重ねた人です。
苦境を押しのけて、誠実に研究に挑む姿を
想像するにつけ、深い感銘を受けます。
また、その功績が認められ後、
王立協会からナイトの称号を与えられた時、
それを断ったとされています。
階級が重んじられる当時のイギリスで
ナイトの称号を断るその純朴さ、男前っぷり!!

いやー、大好きな学者の1人です。

コンデンサーなどの静電容量を表す単位
ファラッド(F)がありますが、
これはマイケル・ファラデーに由来する単位です。

あ、ちょっと話がそれました・・・

えー、話を戻します。
コイルで発電される電気は前述のように交流です。
このままではバッテリーに充電できません。
蓄電するためには交流を直流に直さなければなりません。

ここで半導体(ダイオード)を利用して
プラス・マイナスと入れ替わる電流の向きを
一方通行に変えて直流にします。
通常3個のコイルで交流発電していますので、
1個当たり2個のダイオード、合計6個のダイオードを使って
片一方にしか電流が流れないようにしています。
これがレクチファイヤーの仕事


しかし、交流を直流に直しただけでは
まだバッテリーに充電できません。
エンジンの回転数に比例して
交流発電の電圧もどんどん上がってしまうからです。、
回転を上げた時の交流発電電圧は
だいたい50~70ボルトもあります。
レクチファイヤーで直流に直す時に
半分捨てていますが、それでも25~35ボルトもあり、
この電圧で充電すると
そっこうでバッテリーがパンクしてしまいます。

ここでツェナ・ダイオードのスイッチングを利用して
14ボルト以上電圧が上がった場合は電気を熱へ変換
14ボルト以下の場合はバッテリーへ電気を送ります。
これがボルテージ・レギュレーターの仕事です。
レギュレーターに放熱フィンが付いているのは
作りすぎた電気を熱に変換しているからんですね。
夏の暑いときにレギュレーターがパンクしやすいのは
放熱が間に合わず、ダイオードがパンクするからです。
(冬にバッテリーが上がりやすいのは
バッテリー液の比重が温度で変化しますので、
気温が下がるとバッテリーの起電力が下がるためです)

現代のオートバイのほとんどが、
この2つの機能を1つにまとめた
レギュレーター・レクチファイヤーというパーツが使われています。
一般的にはレギュレーターと言われていますが、
正確にはレギュレーター・レクチファイヤーの略ですね、


XT250など、
古いバイクは個別のパーツになっているものもあります。


さて、
こうして整流され電圧を一定に保った電気が
バッテリーに充電されるわけです。


コイルで交流発電
レクチファイヤーで直流に直し
レギュレーターで電圧を整え
バッテリーに充電

と言う流れです。

具体的な診断は
発電するためのステーターコイルの点検
レアショートの点検
レクチファイヤーダイオードの点検
とこの3つが充電系統の診断となります。
ツェナ・ダイオードの点検は通常出来ませんので、
消去法で他ごとが全て問題ない場合
ツェナ・ダイオードが飛んでいると判断します。
また、転倒などで強い衝撃が加わると、
永久磁石が減磁したり割れたりすることがあります。
この場合も、同様に発電不良を起こします。


どれか1つでも壊れると
正しい充電が出来ず、バッテリーが上がったり
パンクしたりすることになります。


さて、ここからが今日の本題。

上記全ての点検で問題がないバイクでも
極まれに充電不良を起こすことがあります。

原因はスターターマグネットスイッチ。
通常ここにはメインの30Aヒューズが組まれているわけですが、
作られた電気はここのメインヒューズを逆流する形で
バッテリーに送られます。
スターターマグネットスイッチに
刺さっているコネクター部に接触不良などが
発生すると、せっかく作った電気が
正しくバッテリーに送れなくなってしまいます。
ちょうど首を絞められたように電
気が流れなくなってしまい
電圧が落ちます。



極レアケースではありますが、
充電不良を起こしているバイクは
スタータマグネットスイッチが原因!
なんて事があるんですね。

普通の充電系統の点検をして
全く問題がないような場合
マグネットスイッチに刺さっている
コネクターをぐりぐり動かしてみると
充電電圧が変わる時がありますので、
最終手段の点検でぐりぐりしてみるのも一考です。

もしくは、レギュレーターレクチファイヤーから出ている
プラスリード線からメインヒューズを介せず、
直接バッテリーのプラス端子にバイパス線を作って繋ぎ、
充電電圧が上がるような時は
スターターマグネットスイッチのコネクター部の不良が考えられます。


まだまだ寒い冬が続きます。


バッテリーが上がりやすい冬!!
バッテリーが上がった時は
充電電圧の点検も必ず合わせて行ないましょう!!



前回に続き、珍しく!!
バイク整備の話が2回もつづいた
ザ・バイクマン日記でした。


おしまい。





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